この度、学校用品関連会社のM&A案件が成約いたしました。

事業承継の背景
売主様は、長年にわたり地域密着で事業を展開し、学校や地域社会から厚い信頼を獲得されている企業様でした。しかし、後継者不在に加えてキーマンを含む従業員の離職意向が発覚し、事業の継続そのものが危ぶまれる厳しい状況に直面されていました。
一時は廃業も視野に入れられていましたが、「取引先にご迷惑をかけたくない」「従業員の雇用を守りたい」という経営者様の思いから、M&Aによる事業承継をご検討されていました。

お相手となった買い手様は、長い歴史を持つ老舗企業様です。過去にもM&Aの実績をお持ちで、地域社会への貢献や従業員・顧客の安心感を第一に考える「友好的M&A」を大切にされている企業様でした。

特徴と成約の鍵
今回のM&Aで最も特徴的だったのは、本格的な検討開始からわずか2ヶ月というスピード成約だったことです。そして、スピード成約において最大のポイントとなったのが、「譲渡契約書を締結する前に、従業員説明会を実施したこと」でした。

通常、M&Aは極秘裏に進められるものであり、情報漏洩は従業員の離職を招くリスクがあるため、締結前の公表は避けるのが一般的です。しかし今回は、すでに社内に不安が広がっており、更なる退職希望者が出かねない状況だったため、一刻も早く従業員の不安を取り除くべく、スピーディーに進める必要がありました。

そこで、通常であれば譲渡契約書締結後に行う従業員説明会を、あえて締結前に実施することに踏み切りました。実施にあたっては、弊社がアドバイザーとして、説明会の流れや従業員の方々にお伝えする内容の設計を担い、売主様・買い手様と入念に調整を重ねました。
説明会では、老舗企業が事業を引き継ぐことを従業員の方々へ直接お伝えしました。その結果、不安が和らぎ、今後の事業継続への安心感を持っていただくことができました。

今回、買い手様はM&Aの一連の流れを深くご理解いただいていたこともあり、異例とも言える譲渡契約締結前の従業員説明会というご提案に対しても、大変柔軟かつ最大限に寄り添った対応をしてくださいました。この一連の対応は、対象事業にとって、今後の事業発展のための非常に大きな一歩となるでしょう。
なお、契約締結前の従業員説明会は情報漏洩のリスクを伴うため、すべての案件に当てはまる手法ではありません。案件ごとに状況を見極め、慎重に判断することが重要です。

事業承継は、経営者様だけでなく、そこで働く従業員の皆様の未来にも深く関わる重要な決断です。
弊社では、様々な背景を持つM&A案件において、最適な解決策をご提案できるよう尽力いたします。
事業承継に関するご相談がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。