先日、介護施設の運営と訪問診療を行っているクリニック(医療法人)のM&Aが、無事に成約いたしました。当クリニックは弊社のグループ会社である税理士法人の顧問先様でした。譲渡を考えていることを顧問税理士に相談されたことをきっかけに、弊社がアドバイザーとして携わることになりました。

早期の相談が成功を導く鍵に
今回、無事に成約に至った背景には、「早めの対策」があります。
理事長は、いつまでに退任したいという明確な希望時期を定め、その5年ほど前から、顧問税理士に譲渡の相談をされていました。当クリニックは当初、法人・個人の借り入れが混在している、法人名義の保険の整理が必要である等の財務的な課題がいくつかありました。廃業ではなくM&Aで譲渡を進めるのであれば、長期的な対応が必要な事案もありましたが、早めに状況を把握・整理できたことにより、譲渡に向けた準備を整えた上で、売り手の希望の時期にクロージングまで進めることができました。

売り手の柔軟な姿勢と多様な検討スキーム
M&Aにおいては、譲渡スキーム(法人ごと譲渡するのか、それとも一部の事業だけを譲渡するのか)も重要な検討事項のひとつです。
当クリニックでは、介護施設の運営と、訪問診療を行っていましたが、介護施設と訪問診療事業を一体で譲渡するスキームだけでなく、それぞれ別の買い手に譲渡するという選択肢も視野に入れて買い手探索を行いました。理事長は、弊社アドバイザーからのスキームの提案を柔軟に受け入れてくださり、より広く買い手の探索を行うことができました。最終的には、介護事業を行っている一般の事業会社が医業にも進出するという形で買い手が見つかり、法人全体を承継するという形となりました。

 

M&Aでの譲渡を行う場合、準備段階で時間がかかるケースは少なくありません。それに加え、買い手の探索や買い手との交渉で、成約までに更に時間がかかります。十分な時間が確保されていなければ、予期せぬ問題や不測の事態が発生した際に、焦って対応せざるを得ない状況に陥りますので、希望の時期だけでなく、条件面での納得を得るためにも、早めの対策が必要です。

またM&Aは、当事者である売り手・買い手と担当アドバイザーの信頼関係も、非常に重要な要素となります。相互の意見に耳を傾けなければ、スムーズな交渉は期待できません。信頼できる経験豊富な専門家を見つけることも時間がかかることですので、ご検討される際には、ぜひお早めに準備をスタートすることをおすすめいたします。