概要
譲渡企業は、地場企業で経審ランクは上位。スタッフも定着し今後も安定した売上が見込まれていましたが、一方で跡継ぎがおらず、10年以上に渡り後継者問題に悩まされていました。
廃業ということも考えられましたが、従業員の雇用の継続や協力先の収益確保のために、どこかに譲ってでも会社を存続させたいという思いから、弊社にご相談いただきました。
譲受企業の目的
最終的な買い手候補は2社。1社目は上場会社のゼネコン、2社目は地場の大手企業でした。それぞれ規模拡大、人財確保、多角化などを目的に譲受を検討されていました。
上場会社は、提示価格は高いが、内部統制・決算のスピード、決裁手続など管理体制が厳格化されることに地方の中小企業の従業員がついていけるかが不安な状況。
一方で地場の大手企業は、提示価格は上場会社に比べ安いものの管理体制に大きな変化はなく従業員にとっては働きやすい状況でした。
最終的には、価格面よりも引継後の従業員の働きやすさを重視して、地場の大手企業への譲渡を決められました。
M&A成約のポイント
・譲渡側はアドバイザーを信頼し、価格面を含め一任する姿勢でありスムーズに交渉が進められたこと。
・譲受側の資金調達において、金融機関の融資がなかなか下りない中で、アドバイザーが価格の根拠や事業計画等の説明資料の作成によりサポートすることで、融資を獲得できたこと。
・譲受側は意思決定が早く、競合していた上場企業に先立ち、条件提示や条件調整が行えたこと。
など、譲渡側においては、意思決定を上手くリードし何を重視するのかなど判断基準を提案できたこと、また、譲受側においても迅速な意思決定に協力をいただいたことでスムーズな成約となりました。