概要
譲渡企業は佐賀県で介護施設を運営しており、直近では近隣病院等との連携が進み高い稼働率を維持しています。
過去の業績不振時の影響で債務超過ではあるものの、連携先との関係を地道に強化され、現在では利用予約待ちの人気施設でした。
売手の社長は後継者がおらず、体力の衰えを感じはじめており、以前からM&Aによる会社の譲渡を検討していましたが、現施設が軌道に乗り、利用者獲得のルートの確保、債務超過の解消の目処がたったため、このタイミングで具体的にお相手探しをはじめたいと、弊社にご相談をいただきました。
譲受企業の目的
譲受企業は建設業を母体とする会社で、数年前に新事業として介護事業に着手されました。この数年の間に数施設の運営に成功しており、ノウハウの蓄積ができ、有能な人材も育ってきたため、以降は新規設立ではなく既存施設の譲受けによりエリア・規模の拡大をしたいと、M&Aに積極的でした。
M&A成約のポイント
本件のお相手探しをはじめたのは、ちょうどコロナ禍に突入した直後でした。買手企業が軒並み買収検討を一時中断し様子見に入ったタイミングであったため、検討が進む先が見つからないという状況が半年以上続きました。
全国の介護施設でのクラスター発生のニュースが連日報道され、施設への立ち入り制限も強化される中、候補者が現れてもの現地訪問もままならない状況でしたが、売手社長が元気で、時間的余裕のある内に動き出すことが出来ていたため、辛抱強く情勢が落ち着くまで待ち続けました。
そのような中、本件の譲受企業もコロナ禍で検討を一時中断されていましたが、自施設のコロナ対策も強化し問題なく運営継続出来ていることから検討を再開され、無事に譲渡が完了しました。
本件は、小規模事業で比較的検討しやすく、また満床の介護施設であったにも関わらず、譲渡完了までに1年2ヶ月の歳月がかかりました。このように、通常であれば比較的早めにお相手が見つかるだろうと予測していたとしても、自然災害等いつ何が起こるかわかりません。時間的余裕があったからこそ、成約が出来た案件だといえます。